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日環科学株式会社 Japan Eco-science Co., Ltd.

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業務概要

日環科学は、医食農同源を目指した研究開発型シンクタンクです。ここでは当社が取り組む三つの領域について、それぞれの考え方と具体的な業務内容をご紹介します。

バイオ・イノベーション 安心・安全の食材づくり 自然共生技術の開発

バイオ・イノベーションBio-innovation

バイオ・イノベーションの取り組み

2000年の設立以来、極限環境微生物である好熱菌と耐熱菌の力を借りて、健康の維持と環境の保全・修復を同時に果たす技術の開発に取り組んできました。めざしているのは、農薬・化学肥料・抗生物質という三つの化学的な投入に依存せずとも成り立つ、農・畜・水産のかたちです。

数あるバイオ技術のなかで、社会に必要とされながら、いまだ十分に普及しきれていない技術があります。高温発酵技術もそのひとつです。技術面での難度に加え、既存の資材と慣行が確立した分野であることが、普及の壁となってきました。

私たちはこの技術に着目し、株式会社三六九とともに開発を重ねてきました。外から加温することなく、自家発酵熱のみで70℃以上に達するため、病害菌の混入を抑えながら有機物を発酵させることができます。この過程を経た発酵産物は、土にも家畜にも働きかけ、化学的な投入に代わる選択肢となります。

さらに千葉大学との共同研究を重ね、2013年には産学連携型のバイオベンチャーである株式会社サーマスの設立を主導しました。弊社は技術系コンサルティング・シンクタンクとして、これらの技術の開発と社会実装を支えています。

主な取り組み

  • 脱農薬 好熱菌発酵産物を施した土壌では、植物がもともと備えている防御のはたらきが高まります。抵抗力を植物自身から引き出すことで、農薬に頼る度合いを下げます。
  • 脱化学肥料 未利用の有機資源を高温発酵させ、土づくりに還します。外部から化学肥料を投入する前提を組み替えます。
  • 脱抗生物質 発酵飼料が家畜の腸内環境に働きかけ、抗生物質に代わる健康管理の手立てとなることをめざしています。

実績・特長

  • 受賞 2017年度 日本生物工学会 生物工学技術賞「好熱性微生物を活用した未利用バイオマス資源からの高機能性発酵製品の製造と学術的解明」(受賞論文 PDF
  • 特許 高温発酵技術および関連する発酵産物について、日本、米国、欧州、中国、韓国、台湾、カナダなど国内外で特許が成立しています。一覧は文献リストをご覧ください。
  • 実用化 発酵肥料および発酵飼料として実用化され、農畜水産の生産現場で使われています。
  • 産学連携 千葉大学との共同研究を経て、千葉大学発ベンチャーである株式会社サーマスを設立しました。

安心・安全の食材づくりSafe and reliable food production

高温発酵技術によって得られた発酵産物を、農地、畜産、水産のそれぞれの現場で用いています。これまでの研究から、環境への負荷を抑えながら、生産物の質そのものが高まることが分かってきました。

環境負荷が少なく、栄養価の高い生産物が得られるのであれば、それを活かす道筋まで整えなければ意味がありません。私たちは生産者の方々とともに、こうした農産品を組み合わせた新しい商品の開発を支援しています。

分野ごとの知見

  • 農業 農地では窒素固定が進み、化学肥料を減らした栽培が可能になります。あわせて微生物叢が変化することで、二酸化炭素の約298倍の温室効果をもつ一酸化二窒素の発生が抑えられる傾向が確認されています。糸状菌に対する静菌作用が関与している可能性があります。作物の安定生産とともに、抗酸化成分が増える傾向も見られます。
  • 畜産 腸内細菌叢の変化が成長の促進に寄与すること、また腸内のメタン産生菌が減少する傾向が明らかになっています。モデル動物を用いた試験では、過酸化脂質の減少が確認されています。
  • 水産 発酵飼料を用いた養殖魚では、アミノ酸が増加し、抗酸化活性が高まり、旨みが増すことが分かっています。さらに2004年の投与開始以降、養殖施設の周辺で海草の繁茂が認められるようになりました。環境にやさしい養殖技術としても役立つ可能性を示しています。

学術的根拠

これらの知見は、理化学研究所をはじめとする共同研究機関から公表されています。主なプレスリリースは次のとおりです。

商品開発の支援

生産者の方々が育てた農水産物を組み合わせ、新しい商品として形にするお手伝いをしています。これまでに取り組んだ例は次のとおりです。

安心・安全の食材づくり

自然共生技術の開発Technologies for living with nature

自然共生技術の開発

環境の問題は、ひとつの原因にひとつの対策を当てれば片づく、という性質のものではありません。土も水も生きものも、たがいに関わり合いながら成り立っています。単独の技術だけで押し戻そうとすれば、どこかに無理が生じます。複数の技術を組み合わせ、全体を少しずつ良い方向へ動かしていくほかないと私たちは考えています。

めざすのは、失われた自然を回復させる方向へ舵を切る「ネイチャーポジティブ」の実現です。負荷を減らし、抑えるだけでなく、生態系そのものが再び豊かになっていく状態をつくる。そのための道筋を探しています。

好熱菌発酵物の位置づけ

私たちは好熱菌発酵物を、環境の修復に欠かせない資材と考えてきました。学術的な証明を積み重ねてきたのも、そのためです。

ここで大切なのは、この発酵物が環境中で自ら増えていくわけではない、という点です。農産・畜産・水産・林産のいずれの分野でも、詳細な研究から明らかになったのは、発酵物がその場の環境微生物叢を制御する働きをもつということでした。何かを持ち込んで置き換えるのではなく、もともとそこにある微生物のはたらきに作用する。この違いが、技術の使い方を大きく分けます。

技術を組み合わせるために

自然との共生をめざす技術は、私たちの技術以外にも数多くあります。発想の根幹が近いものも少なくありません。しかし、それぞれの技術が前提とする使い方が噛み合わないままでは、組み合わせても十分な力を発揮できません。

微生物の制御に取り組む方々は、それぞれに確かな蓄積を持っています。それらを組み合わせて活かすには、ものさしを変える必要があります。目の前の一次的なコストや、ひとつの側面だけを見た効率ではなく、社会全体を循環のひとつながりとして捉え、そのなかで最も無駄の少ない運用を組み立てていく。そこへ進まなければならないと考えています。

ECO-AIs という場

そうした視点で技術を持ち寄る場が要る。そう考えて開設したのが、未来事業情報サイト ECO-AIs です。好熱菌技術に限らず、自然共生に資する技術やアイデアを広く集め、専門家とともに検討し、育っていく過程を公開しています。

この取り組みは売上を目標としていません。人と動植物、そして生態系がどのような形で共生しうるのか。その模索そのものが目的です。

関連情報・リンク